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すてきになったぞ!上級編

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【すてきになったぞ!上級編】
「消音はギタリストの良心-2」

●譜例-1a

 

譜例-1aは、ギターの経験者は誰もが知っているF.タルレガ(ターレガ)の
「Lagrima」中間部8小節です。おそらくタルレガの作品の中で、「Recuerdos de la
Alhambra」以上に学習した経験者が多い曲でしょう。
 ここには3ヶ所(A~C)、実音の“消音”が必要な所があります。
 「実音の消音」とは、当講座では記譜されている音を指します。もう一つの消音を
「倍音の消音」と呼ぶことにしますが、ここでは「実音の消音」についてだけ書くこ
とにします。

 多少とも和声楽を学習した人は、譜例-1aの1小節目には2つの和声が書かれていることを、ギターを弾かなくとも理解できるでしょう。また、異なる2つの和声を連結するとき、ベース音を持続(繋留)させることは2つ目の和声の性格を曖昧にしたり、響きを濁らせたりすることも知っていると思います。
 必ずしも“和声の性格を曖昧に”したり“響きを濁らせ”たりすることが“非音楽
的である”と言うわけではありませんが、作品の性格上、“和声の性格を曖昧に”し
たり“響きを濁らせ”たりすることが相応しくない場合があります。また、古典的な
作曲法で作られた曲の場合、異なる和声の性格が曖昧になることを想定して作曲されることはありません。
 F.タルレガの場合、音楽的にはロマンチックな内容ですが、作曲法はほとんど古典の手法を踏襲しています。つまり、「Lagrima」では“和声の性格を曖昧に”したり
“響きを濁らせ”たりすることがあってはいけないわけです。

●譜例-1b

 

譜例-1bは、A~Cのヶ所の、ベース音の消音処理ができていない響きを書いたものです。
 Aは3拍目でB7のコード(和声)になりますから、1〜2拍目のEmコードの響きが
重なると“濁った響き”になります。
 たいていの場合、3拍目は0.7〜8秒で譜例2小節1拍目のミを弾いてしまいまか
ら、多くの場合響きの濁ったことに気づけないでいるようですが、譜例-1cで消音処理の練習をしてから弾いてみてください。

●譜例-1c



 和声の性格がきちんと把握できた耳には、消音処理のできていない演奏は非常に耳障りに聞えることがわかります。
 ( )内の小音符は弾いても弾かなくても構いませんが、和声の性格をより耳に馴染ませるためには弾いた方が良いでしょう。また、2小節目には1拍ウラからEmの構成音ではない音(非和声音)が多数書かれていて、Emのコードを連結することに“視覚的に違和感”を感ずる人がいるかも知れませんが、2小節目はEmのすべて“経過音”という性格の音で、2小節目はEmがあてはまるコードです。

 それでは消音の方法です。3ヶ所(A~C)ともP指を使った消音法になりますが、C
だけは左手も使った方が容易です。
 Aは、3拍目のB7のコードを弾く直前(ほとんど同時)に、P指の外側(人差指の方を内側として)を6弦に触れます。
 右手首を“横と順の方向”に曲げるフォームの指導を受けた人には決して易しいことではありませんが、右手首は深く曲げることが必要な場合もありますから、ここでは“手首を伸ばし気味”のフォームもできるようになってください。
 このように、消音する弦が次に弾く弦のとなりの場合は、弾弦と同時に消音できます。

 

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