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音楽講座  プログラム

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(■4回目、1665字)
 No.2 Vals

●譜例2



 先ず、Vals(バルス)とは何のことでしょう。
 ギターの学習に用意されている多くのエチュードは、たいていテンポ標語や発想標語しか付けられていませんが、この教則本には、Valsとだけ記されたエチュードが20曲もあります。つまり、Valsと記すだけで、テンポや音楽的内容がイメージできる(はず)ということなのです。
 対面レッスンを受けている人達は「ワルツのこと」と解説されていることでしょう。
それで間違いではありませんが、私たちが「ワルツ(3拍子の舞曲)」又は「円舞曲」として学校で学習したワルツとは少々異なります。
 Valsはスペインの名称で、スペインの侵略を受けた中南米の国々でも同じValsが定着しています。また、隣国フランスではValse(ヴァルス)と表記され、シャンソンのジャンルに色濃く残っていますが、テンポはいわゆるドイツやイギリスのワルツ(Walzer, Waltz)より早めです。
 もちろん左右の運指や、音楽的な発想などが途切れることなくイメージできるう
になるまではゆっくりと弾き続けなければなりませんが、1小節(付点四分音符)
をMM=60〜66で弾く目標を持って下さい。

 このレチュードNo,2で最も重要なことは、A からの8小節です。
 もちろんNo.1で注意した C からの部分を明確に声部分けして弾くことや、はじめ
の8小節やB からの8小節間の、和声の変化や転調に相応しい音量の変化(表情的に)を表現しなければならないのはもちろんですが、A からの8小節は音楽的に重要な意味を持っているので、先に A 部分のことから書きましょう。
 ついでながら、練習曲にかぎらず、1つの曲を練習するとき、その曲のもっとも難
しいところから始めることは大切なポイントです。また、同様な意味合いで、フレー
ズ単位で、しかも曲の終りの方から練習することは、通して弾くときに曲が短く感じ
られるようになるので、見通しの利いた演奏にもなります。別の機会に、具体的に説明しましょう。

●譜例2-a,b



 譜例2-bはオリジナルの記譜ですが、 譜例2-a のように下声部もソから下降するのが正しい記譜です。つまり、アウトタクトのソから歌うのと、次の小節2泊目のファ♯からうたうのと、どちらが歌いやすく、音楽的流れを感じられるかを確かめるとよく解ります。
 さて、1つの譜頭(たま)に2つの譜尾が付けられている音符は、1つの音であり
ながら2つの声部の性格を持っていると言えます。管楽器のように、基本的に1つの音を出すために作られた楽器では不可能なことですが、弦楽器ではごく普通に見られる記譜法です。
 先ず譜例2-cを見て上段の主旋律でだけを、スフォルツァンドのファに向ってくク
レッシェンドしながら何度も弾いて下さい。一段譜にしたときの声部をイメージしや
すいように、譜尾を同一方向にしてあります。
 そのとき、譜例2-cの実線のスラーを意識してください。破線のスラーはフレーズ
を示してはいます(フレージングスラーと言います)が、拍子とスフォルツァンドを
明確に(しかも容易に)表現するには、1小節ずつに付けられたスラー(アーティキュレーションスラーと言います)をイメージすることは重要です。
 ちなみに破線のスラーで括られた音を、すべてレガートに弾いてみて下さい。スフォルツァンドの音を弾きづらいことと、アウトタクトと次の小節の1拍が同じように聞え、破線カッコで括った音がまるで2拍子のように聞えるはずです。舞曲では特に律動感(拍子)を明確にすることが必要です。

 上声が思うように弾けるようになったら、下段の下声部も同様に練習して下さい。
 運指はオリジナルに付けられている2,4指は使わないようにしてください。いた
ずらに難しさを増やすだけです。3指を4フレットから3フレットに移動する際、巻
き線をこする音(擦音・雑音と言われてます)の出る人が少なくないと思いますが、
次の回にその音をできるだけ出さない方法を書きますので、今は思いっきり出して移動していて下さい。(続)
 

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