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 ど〜する音楽?中級編

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(■5回目)
 「50のエチュード」の2曲目で、なかなか前へ進めなくて申し訳ありません。こ
の曲は、ここで弾くには難しすぎる内容ですが、とにかく順番に進めますのでできることから練習してください。

 さて、ギターの低音弦には巻き線があります。これは音楽する上で、雑音を出す厄介な代物です。現在は、巻き線の表面をけずって雑音が出づらく工夫された弦もありますが、フレットとの接点が大きくなるので、音色の変化をつけづらくなるように感じます。
 巻き線の表面をけずっていない、普通の作りをしてある弦も、ある程度使うとフレットとの接点が摩耗して同様な状態にはなりますが、弦は常に伸びているため、わずかずつ接点が移動して、接点が音色に影響するほど大きくはなりません。

 さて、巻き線をこする雑音ですが、大きく出る人と、あまり大きく出ない人がいま
す。それは皮膚(指先の)柔らかさで変わるのですが、多くの人は弦を押さえる指先がいわゆる“タコ”状態に角質化するので、雑音は大きく出てしまいます。
 ナルシソ・イエペスのレッスンを受けた折には、指先を弦に強く押しつけると雑音
は出なくなるとアドヴァイスを受けましたが、角質化するする皮膚には効果はありません。イエペスの指先は、少なくない西洋人と同じ“ペタペタ状態”で、雑音が出づらい皮膚なのです。
 長い時間張りっぱなしの古い弦(人によって異なるので、使用期間はいちがいに言えません)も雑音は出づらいのですが、ここでは問題外としておきます。

 では我々角質化する皮膚の人間は、どうやって雑音を回避するか……と言うと、弦をこすらないで押さえたり離したりするのです。

●譜例-2-c,d



 まずエチュードNo.2の音で練習してみましょう。
 譜例-2-cは、雑音の出るヶ所の低音だけを抜き出した楽譜です。右手の運指も一応付けましたが、ここでは余り重要ではありません。同じ指を使っていいので、できるだけ左指に注意を集中できるよう、得意な指を使って下さい。
 雑音(擦過音)はAのファ♯-ファの2音間で出るのですが、Bのファ-ミの2音間で
も出た人がいると思います。それは3指を弦から離すときに、ミ側に移動しながら離れるために出てしまいます。弦から離す指は、弦に対して垂直方向へ離すことで解消しますが、ファ♯-ファの2音間ででも同様に、3指が弦に対して垂直方向に離れ、押さえるときも垂直方向から押さえると雑音は回避できます。
 この方法は、すべての雑音を回避するための基本動作になりますので、ここで少し時間を割いて根気よく練習して下さい。

 さて、“雑音はなくなったが、音が途切れてしまう”という人が少なくないでしょ
う。
 ここでは、弦から指が離れている時間が“音が途切れている”と感ずるくらいに長いわけです。かんたんに言うと、“音が途切れている”と感じないくらい短い時間に次の音に移行すればいいわけです。以下にその方法を書いてみましょう。
 譜例-2-dは、ここのフレーズにアーティキュレーションを施したものです。アーティキュレーションは演奏者によって若干変わることがあるので、このとおりでないこともありますが、今はこのアーティキュレーションで練習しましょう。
 このアーティキュレーションでは、問題の2音はレガートに弾くことにしています。
つまり、音と音を区切ってはいけないわけです。
 ギターでは他の楽器のようなレガートは不可能(!)なのですが、幸いにして人の
耳は計測器のように正確ではありません。音が途切れている時間が10分の1秒くらいであるとき、よほど注意して聴かないかぎり途切れた感じには聞えません。
 また、前後にスタッカートで弾いている音(フレーズ)があると、相対的に“レガー
ト風”に聞えてしまうことがあります。さらに幸いなことは、撥弦楽器は“音の減衰”
が大きく、音の減衰をうまくく利用すると、レガートな弾き方は決して難しい技術で
はありません。

 それではレガートに弾くことの練習を始めましょう。
まず、Aの2音をやってみます。
 ファ♯-ファと3指を移動する前に、ファ♯-ファ♯と同音をP指で弾いてください。
その段階で音が途切れて聞える場合は、P指が4弦に止まりすぎています。弦がやけどするほど熱いと仮定して、瞬間的に弾弦し、決してP指が4弦に止まらないように弾いてみてください。
 そのとき、必ずカウント(口に出す必要はありません)するように心がけてくださ
い。この曲の場合3拍子ですから、手短に1,2,3と数えてください。1,2,3
の拍の間隔は曲のテンポより遅くていいですが、決して「い〜ち、に〜い、さ〜ん」
と伸ばし気味な数え方はしないようにしましょう。
 ファ♯-ファ♯が途切れないで弾けるようになったら、その瞬間的に弾弦したP指に合わせて3指を4フレットから3フレットに移動してください。
 同様にBのファ-ミも、P指が弾弦する瞬間に3〜2指の交換ができるまで、何度も練習してください。
 「そんな弾き方をしていたら疲れる(!)」と思われるかも知れませんが、この弾
き方ができなければ、永久にレガートな演奏はできません。
 アーティキュレーションは、“音と音をつなげる”ことと“音と音を区切る”こと
で“フィーリングの良い音楽を表現する”ことです。音楽の面白さは、作曲家の書い
た音だけではなく、演奏者がそれぞれに異なるアーティキュレーションをすることで
も感じられます。



 

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