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釣り竿読売新聞2004年10月16日夕刊掲載

つり竿ー45

万年 六糸坊
 

「つり竿ー45」(読売新聞2004年10月16日夕刊掲載)


 初めて天塩川を見たのは二十年ほども前のことだったろうか。今は亡き彫刻家砂澤ビッキのアトリエでコンサートをすることになり、音威子府を訪れた折のこと。翌朝、一人の老婦人が「天塩川を見たい」と言いだした。
 『川を見るって……?』と疑問符が浮かんだが、何人かが嬉しそうに同調したので、二日酔いでぼやけた頭の私もついて行くことにした。当時の私は、川は水が上流から下流に流れるもの……くらいにしか思っておらず、桜や梅のように見て楽しめるものとは考えなかった。
 天塩川沿いの国道四○号を下り、何度も車から降りて川を眺めながら中川町佐久近くまで行ったが、見たいと言った老婦人の気持ちが良く解った。
 黒く澄んだ水が滔々と流れ、梅花藻の大株があちこちに揺れていた。川水は濁っているものと思い込んでいた私は何度もため息し、誰もが無言で流れに見入った。
 十年ほど前、稚内での演奏会の折に同じ所を見たくなり立ち寄ったが、黒く澄んでいた水は、梅花藻の大株も見えないほどに濁っていた。目にした多くの支流からは、雨後でもないのに土色の水が流入し、その濁りはずっと上流の剣淵川合流部辺りから目立ち始めていた。
 唯一大支流名寄川が澄んだ水を注ぎ合流部に筋目を作っていたが、その名寄川もじきに本流と似た色の水を運び始めるだろう。支流のサンル川に大規模ダムが計画されているのだ。
 すでに「川を見たい」と言う人はなく、川は死にかけている。

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