平佐修.クラシカルギターウエブサイト
ホーム プロフィール 演奏会予定 楽譜・CD販売オンラインショップ 演奏MP3 リンク 平佐修へのメール
釣り竿読売新聞2003年2月15日夕刊掲載  
「つり竿ー4
 

 

「つり竿ー4」(読売新聞2003年2月15日夕刊掲載)


 私の渓流釣りの師匠は音楽家で、弦楽オーケストラの指揮もしていた。何度か共演をさせていただいたが、当時渓流釣りと魚拓作りの名人であることを知らなかった。
 十年ほど後に渓流の手ほどきを受けるのだが、その頃師は末期ガンで入退院を繰り返しており、ガンであることを知っていた本人としては、普通であれば釣りどころではない精神状態であろうと思った。ところが師は、釣りとなると三度の飯も、命を蝕む病も大した問題ではなくなる人のようだった。
 二〜三度同じ川で手ほどきを受け、その後は師の体を思い一人であちこちの川を歩くようにしたが、釣れたときだけ報告をすると、翌日にはその川で釣っていたほどの釣狂だった。報告した川の中には、行き着くのに崖を上り下りしたり、かなりな水量を徒渉しなければならないところもあったのだが、小賢しい気遣いだったようである。
 そんな師匠があるとき、「ところで、釣りの六物(りくぶつ)っていう言葉知ってるかい」と問いかけてきた。無手勝流の海釣りは十七年ほどやってはいたものの、そんな言葉は言ったことも聞いたこともなかった。
 「釣りは、竿、糸、浮子、鈎、餌、魚篭があれば充分に楽しめるもの」と言う。もちろん渓流釣に浮子は使わないが、釣道具は必要最小限にして「凝ったり頼ったりするな」と言いたかったのだと思う。言葉通り師の釣装束はいたって簡素だったが、竿を手にしている姿は格好良く近寄りがたいものがあった。

 
つり竿ー4

つり竿ー1

つり竿ー11
つり竿ー2 つり竿ー12
つり竿ー3 つり竿ー13
つり竿ー4 つり竿ー14
つり竿ー5 つり竿ー15
つり竿ー6 つり竿ー16
つり竿ー7 つり竿ー17
つり竿ー8 つり竿ー18
つり竿ー9 つり竿ー19
つり竿ー10 つり竿ー20
つり竿ー21 つり竿ー31
つり竿ー22 つり竿ー32
つり竿ー23 つり竿ー33
つり竿ー24 つり竿ー34
つり竿ー25 つり竿ー35
つり竿ー26 つり竿ー36
つり竿ー27 つり竿ー37
つり竿ー28 つり竿ー38
つり竿ー29 つり竿ー39
つり竿ー30 つり竿ー40
   
つり竿ー41 つり竿ー47
つり竿ー42 つり竿ー48
つり竿ー43 つり竿ー49
つり竿ー44 つり竿ー50
つり竿ー45 つり竿ー51
つり竿ー46 つり竿ー52